まだ見ぬ表現へと

TOP > 高岡銅器とは

高岡銅器とは

 高岡銅器にはいろいろな鋳造法があり、古来よりの伝統的工法や近来開発された近代工法が数多くありますが、表現意図、使用目的などにより、一般に生型鋳造法、ガス型鋳造法、金型鋳造法、ロストワックス鋳造法、遠心鋳造法、電鋳法などや国指定の伝統的工芸品として、焼型、双型蝋型鋳造法があります。

ta06.jpg

 

■生型鋳造法

line.gif
img02.gif

 図のA、B、Cの通り木製や金属製の上下の型枠の間に反復使用できる「型」を挟み、上下の型枠に砂を押し固めた後、「型」をはずして出来た空間に「A」、中子型を「巾木(はまき)」によって固定し「B」、外型と中子との空隙に溶けた合金を注入します「C」。
 量産に適し、安価なため、仕上げ技術の向上によって高岡銅器の主流となっています。しかし多くの工場は近代化、コンピュータによる数値制御を図り、その日、その時間の温度や湿度によって砂に加える粘結材や水の管理、その他、鋳造後には鋳造時の高熱による水分の蒸発、粘結材の消耗、鋳物砂が焼け結晶水を失って破壊し、粉塵状になってしまったものの除去等、鋳物師は鋳造の良否を決めるこれらの諸元にひとかたならぬ神経を使っています。
 さらに地金や合金及び炉内雰囲気の管理、NC切削など、そこには今までと違い微妙で綿密なノウハウがあって、到底発展途上国が簡単に追い付けるものではありません。

 

■シェルモールド鋳造法

line.gif
img03.gif

 図の通り、金属の「型」を二等分し半分を金属板に接着した金型を加熱し、その金型一面にシェルを散布し加熱された金型の熱によって樹脂が溶け鋳物砂が固まり、外型が一枚成型されます。
 別に中空の中子成型金型を加熱しシェルをつめ中子を作ります。中子金型は外型より鋳物の厚さと縮み代、仕上げ代を差し引いた大きさのため、その分だけ外型より小さくなります。
 2枚の外型を上下にして中子を「巾木」で固定して挟み、2枚の外型を接着します「B」(生型鋳造法の図を参照)。生型と同じに注湯します「C」(生型鋳造法の図を参照)。

space6px.gif

 

■ガス型鋳造法

line.gif
img04.gif

 図のA、B、Cのごとく、水ガラス(硅酸ソーダー)を主成分とした粘結剤を加えた鋳物砂で造型し、砂型に炭酸ガスを通し、化学反応によって硬化させて外型及び中子を成型します。
 仏像や人物の銅像など複雑な形状のものに用いられ、特に大型の鋳造では高岡銅器の主流となってきています。それは後述の焼型が伝統的な職人芸、感に頼るところが多く、組織化、工場化しがたいところがあり、工房として伝統的な焼型ならではの鋳造を模索し始めたからでもあるでしょう。
 ガス型鋳造法は大型の鉄鋳物の中子用に開発されたもので、それを青銅鋳物用に各鋳物師がアレンジしたものです。各々の工場によって工法は千差万別です。
 前述したとおり、注湯した溶融金属が、ゆっくり冷え固まることは鋳造法からいっても、鋳物の材質上からも鋳物師の願いであり、好ましいことです。そのため鋳造前に鋳型を温め、できるだけ熱を加える様々な方法が試みられています。
 ガス型は12月から3月まで砂の温度が下がり、また湿度の多い7月、8月も快適とはいえません。どちらかといえば5月、6月、9月〜11月が快適な鋳造時期です。

 

■焼型鋳造法

line.gif
img05.gif

 溶けた金属がゆっくりと冷えて固まる場合、内部の組織が平準化されて良質の鋳物が出来ます。これは焼型の大きな特質です。
 型取の複雑な鋳物を、小さい置物から大型のものまで鋳造する技法で、粘土で出来た鋳型を960℃前後に焼き、小物でも6〜8時間、銅像などになると12〜16時間も焼成をします。一定の型焼を終え、今度は型を空冷して約400℃程度になったとき溶けた合金を流し込みます。溶金の温度は約1100〜1200℃です。
 美術鋳物は一般に石膏モデルが多いですが、数多く製作するものはプラスチックや金型に代わりつつあります。このモデルを原型といっています。
 図のAのような複雑な形状では、原型の凹凸部の型取りがY-Y'やZ-Z'で二分割したとき引っかからないように形を整えねばなりません。「ヨセを取る」といっています。
 Bのとおり予定した断面で二分割し、「ヨセ」と称する整形のための部分をモデル型から取り外し、モデルの表面と意識的に違わせた形に凹んでいる真土部の接触箇所に戻し、「埴汁」で粘着させ、小針を指したりして取り付けます。
 「ヨセ」の取り付けが終わって、丁度モデル型の半分にあたる凹部に張土をして、その中に中子砂を詰め、その上に「埴汁」を塗布し二分割してあった上下の型を合わせ中子を一体化させます。
 Cのように再び型を2つに割って、中子を作る役目を終えた張土を取り除き中子を外型との関係位置に固定する鉄筋と、鋳型を長時間焼くとき発生する中子のガスを抜くパイプを取り付け、外型と中子の間に出来た張土の厚さの空隙に注湯します。

space6px.gif

 

■双型鋳造法

line.gif

 双型は惣型とも書き、お寺の梵鐘や大型の香炉、茶釜・風炉など、中心線をよぎる断面を二等分し、巾木部を付した形の「回し型」を作り、中心線を軸にして360度回転させ外型を造型しています。
 焼型やガス型のような溶解温度の高い良質のブロンズの鋳造には適しているとはいえませんが、伝統的な手作りの煮色、漆色、焼青銅などの古色に適した高岡独特の鉛合金の鋳造ができます。

 

■蝋型鋳造法

line.gif

 本来は1つの型で1個の作品が出来上がります。いくつもの竹箆、金箆を駆使して蝋で造型し、表現する芸術性と工芸的技術の二面を有する素晴らしい作品です。
 はじめに粘土を焼いて作った「砥の粉」を埴汁で溶いて、筆で蝋の模型に塗り、乾燥します(2回)。それを紙土で覆い、その外側を中真土、粗真土で肉盛りし焼型と同じように型焼きしますが、型を焼いて固めるほか、徐々に加熱して蝋を完全に除去するなどの難しい技術を要します。

 

■ロストワックス鋳造法

line.gif
img06.gif

 金型に溶けた蝋をインジェクトし、鋳造の前に融出して無くなる蝋模型をつくります。通常はインジェクターと称する蝋に圧力をかけて注入する器を使用します。
 しかし複雑な形状のためや、金型が高価で金型製作が難しかったり、少量の場合や、正確な寸法精度を必要としない場合は、モデルの周囲にシリコンゴムを流し覆って、ゴム型を作り、その中に蝋を流して模型をつくります。
 蝋模型をスラリーと称する耐火性の泥漿に浸液し、乾燥させ、より粗い耐火物スラリーを重ね5、6層から8層のコートをして加熱し、脱蝋した後に注湯します。

space6px.gif

■金型鋳造法

line.gif

 金型(ダイス)鋳造(キャスト)の意ですが、高圧鋳造法がダイカストと称され一般的です。近々、金型に黄銅を単に注湯する重力鋳造法も開発されています。

 

このページの上へ▲