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お仏壇に置く照明の選び方 | 種類と気をつけたいポイント

この記事では、お仏壇で使用する照明について詳しく説明しています。お仏壇用の照明には様々な種類があるため、どのように選べばよいか迷う方も多いと思います。種類や配置、使い方についてご紹介していきます。

2024.02.05

こんにちは。富山県高岡市で仏像や仏具、美術工芸品の製造、卸売業を営んでいる本保です。私たちは、職人技が息づく伝統的な仏具から、現代の住まいになじみやすい手元供養の道具まで、種類豊富な商品を全国の皆さまにお届けしています。こちらのサイトでは、私たちの暮らしと共にある仏像や仏具について、わかりやすくご説明します。

 

お仏壇には、内部を明るくするための照明が飾られています。仏教において、明かりはとても重要なものとされており、照明はご本尊を明るく照らすための大切な仏具です。火立に灯すローソクの火も明かりとして用いられますが、それよりも照明としての意味合いが強いものと言えるでしょう。

 

灯籠(とうろう)とも呼ばれるお仏壇の照明には、様々な種類があります。今回は飾り方や使い方などの基本的な知識とともに、お仏壇用の便利な電気器具についてもご紹介しています。ぜひ参考にしてみてください。

1.お仏壇照明の基本知識

お仏壇に飾る照明の基本的な知識をご紹介します。

1-1.お仏壇に照明を置く理由は?

そもそもお仏壇とは、ご家庭に置くためのお寺のミニチュアであり、お寺もお仏壇も仏様の世界である「お浄土」を表しています。お仏壇の中で灯すやわらかな光がお浄土を照らすという意味合いがあるため、お仏壇の照明もご本尊を明るく照らすための大切な仏具と言えます。

 

仏教では、お仏像やお仏堂を美しく厳かに飾ることを「荘厳(しょうごん)する」と言います。お仏壇を荘厳することは信仰心や仏様への想いを形にすることでもあり、美しく装飾されたお仏壇を明かりによって照らすことも大切だと考えられてきました。昔は油やローソクによって火を灯していましたが、安全で便利な電球やLEDライトを使う方も時代とともに多くなってきています。

1-2.照明の飾り方

お仏壇における一般的な照明の飾り方をご紹介します。宗派やお寺、地域により異なることがありますので、ご購入時やお飾りされる際には、お寺や仏壇・仏具の専門店に確認することをおすすめします。以下はお仏壇のはせがわ様のサイトの内容を、一部加筆・修正して掲載しています。

浄土真宗以外の宗派では、天井から吊灯籠と呼ばれる照明を1対設置します。お仏像が安置されている高さよりも高く配置しましょう。

一般的な照明の飾り方(浄土真宗以外の宗派)

浄土真宗本願寺派(お西)では、天井から吊灯籠と輪灯を1対ずつ吊り下げます。その際は、輪灯の底が花立の上部と同じ高さになるように吊り下げるのが基本です。

浄土真宗本願寺派(お西)の飾り方

浄土真宗大谷派(お東)では、天井から吊灯籠と、輪灯をそれぞれ1対吊り下げます。大谷派の輪灯はシンプルな丸蔓のものを使用し、輪灯専用の瓔珞(ようらく)を連結して飾るのが特徴です。吊る高さとしては、輪灯の底が花立の上部と同じ高さになるようにするのが基本とされています。

浄土真宗大谷派(お東)の飾り方

1-3.照明をつけておく時間

お仏壇の照明は一日中つけたままにしておく必要はありません。お参りする際に点灯しましょう。照明が内蔵されているお仏壇の場合には、備え付けのスイッチでオン、オフすることができます。

2.仏壇照明の種類

外付けの照明には、天井から吊るすタイプと床に置くタイプの2種類があります。どちらも用途や意味合いは同じですが、本記事ではお仏壇でよく使われている吊るすタイプについてご説明します。下記内容についても、宗派やお寺、地域によって異なる場合がありますので、より詳しいことはお寺や専門店に確認することをおすすめします。

2-1.院元(いんげん)灯籠

院元灯籠は、主に浄土真宗以外で使われる照明です。「隠元灯籠」と表されることもあります。丸型や夏目型と呼ばれる縦長の形状などがあり、「雲透かし」「網目」「唐草」といった透かし模様が入ります。材質はアルミ製、真鍮製、銅製など、印象の異なるものが様々ありますので、お仏壇や他の仏具に合わせて選ぶとよいでしょう。

2-2.神前灯籠

猫足

丁足

神前灯籠は、主に浄土真宗で使われる照明です。胴の部分が六角形となっているのが特徴で、「金灯籠」とも呼ばれます。また、故人を供養する意味合いが強いご面灯が用いられる場合もあります。アルミ製、真鍮製、銅製などがありますが、色は金色のみとなっています。基本的に本願寺派では灯籠の足部分が内向きに曲がっている「猫足」を、大谷派では足部分が外に向かって広がっている「丁足(ちょうあし)」を使用します。

2-3.輪灯(りんとう)

輪灯は、お仏壇の天井から左右対にして吊り下げて飾る照明で、主に浄土真宗で使われています。油を火皿に入れて明かりを灯す形の照明ですが、現代では電気が主流となっています。菊輪灯や桐輪灯、藤輪灯、丸(丸蔓)輪灯など様々な形状や装飾があります。

3.仏壇照明の選び方

お仏壇の照明がお仏壇に付属していない場合、お仏壇の大きさや雰囲気、ご自身の宗派に沿ったものを揃える必要があり、経年劣化などにより照明だけを交換する場合もあります。ご購入の際には、様々な照明が揃う専門店で相談すると、納得のいくものを選ぶことができ、アフターケアも安心してお任せできるでしょう。

4.お仏壇照明用のおすすめ商品

お仏壇の照明用として、安全かつ便利なおすすめの電気製品をご紹介します。電気コードは事前に必要な長さを確認し、余裕を持たせておくと安心です。

4-1.Newともしび

ほとんどのお仏壇用吊り灯籠に対応可能な電装セットです。高輝度なLEDライトを採用しており、電池切れの心配が少なく、電球のように発熱しないため安心して使うことができます。手元スイッチで簡単に操作でき、取り付けしやすいようコネクター基盤に両面テープが貼ってあるのもポイントです。

 

より詳しい情報はこちら

4-2.サンまごころ

LEDライトのローソク「サンまごころ」は、本物の炎のように揺らめく灯りが特徴で、電池式のため配線コードが不要です。大中小とサイズが揃っており、専用のホルダー(火立)がセットされたタイプや、乾電池から5秒の充電で10分間点灯する充電タイプもあります。炎の部分がスイッチの役割を果たしており、上から軽く押すだけで点灯・消灯が可能です。

 

さらにこの商品に内蔵されているLEDライトは、単4電池1本で動作し、乾電池だけでなく充電式電池も使用可能です。多くの類似商品が1.5Vの乾電池にのみ対応している中、サンまごころは1.2Vの充電式電池を使っても暗くなることはなく、1.5V乾電池の場合と同様の明るさになるように設計されています。

5.まとめ

今回はお仏壇の照明について、種類や飾り方などについてご紹介しました。照明はお仏壇のご本尊を明るく照らす、なくてはならない大切な仏具です。お参りの際には必ず点灯しましょう。

記事を通じて、様々な種類があることもお分かりいただけたかと思います。購入する際は、仏壇・仏具の専門店に相談して実物を見ながら、ご自身の宗派やお仏壇に最適な照明を探してみてください。

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